お血脈(おけちみゃく)
確定申告も終わり、やっと時間が出来たので、チョツト慌ただしいけれど旅行に出る。
落語で聴いた先年亡くなった桂文治師匠の『お血脈』の舞台、長野の善光寺に行くことになり、朝7時に切符を買いに行き11時過ぎの新幹線に決め、帰宅して少し休むつもりが眠ってしまい危うく遅刻するところだったが、そこは江戸っ子のおじちゃん、用意万端すぐに家を出て事なきを得る。
落語『お血脈』 あらすじ
善光寺には、額に押してもらうと現世での悪行が帳消しになるという「お血脈の印」があり、庶民からのお参りが絶えない。そのため、極楽に行く人ばかりで地獄は閑古鳥状態。そこで。閻魔大王は石川五右衛門に「お血脈の印」を盗み出すように命じる
善光寺には文治師匠が落語『お血脈』の枕で噺す「お戒壇」という修行のための暗黒の回り廊下がある。
急な階段を下りると、いきなり自分の手すら見えない真っ暗な空間が不気味に続く。その怖さと言ったらお化け屋敷の比ではない。右の手で冷たい壁を伝わりながら行くこと無限の如し。数分がながーく感じられたころ、ガシャンと手に何かが触った。ドキッとする間も無く、先に進まねばならない。
やっとのこと微かな明かりが、まるで太陽のように眩しく感じられ、やがて上りの階段へ出られる。あとで知ったことだが、これがお血脈の御印が収められた室の錠前らしい。何しろ真っ暗闇の中、どんなものかも分からずに触っただけでは知るよしもない。
これに触れただけで極楽浄土に行けるのだから、500円は安すぎるのか?