暖簾

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京都に行くととても気になるものがあります。看板の文字と暖簾です。看板文字には機械文字でない、様々なデザインの手書きの書体が目に付きます。

それともうひとつは暖簾です。日本国中でこれほど洗練された暖簾がある場所は、京都を置いて他にはないでしょう。これは京都人の気質の象徴です。商売を大きくするより、存続させること、つまり暖簾を守ることに重きを置いてきたからです。なんと言っても千年以上続いている老舗が何十件とあるのですから。

その頃から京商人にとって暖簾は、店のシンボルでありプライドであり、家への責任感の象徴だったのです。平安時代の几帳を模した暖簾は鎌倉、室町と時代を経るほどに洗練され、江戸に入るとほぼ完成された形になっていったようです。

本当に京都の暖簾は、えも言われぬデザイン性、芸術性に優れています。日本文化の凝縮といっても言い過ぎではないでしょう。

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