江戸名物の一つ「お稲荷さん」

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花のお江戸の名物と言うと次のものが有名です。

武士、鰹、大名、小路、広小路、茶店、紫、火消し、錦絵、火事、喧嘩、伊勢屋、稲荷に犬の糞
(ぶし、かつお、だいみょう、こうじ、ひろこうじ、ちゃみせ、むらさき、ひけし、にしきえ。かじけんか、いせや、いなりにいぬのくそ)

「火事に喧嘩に中っ腹」と言うのもありますが、ちゅっぱら、とは怒りっぽい、つまり「短気」と言う意味で使います。怒るのは立腹ですがその中間で中っ腹とはいかにも江戸言葉ですね

商売のうまい伊勢商人近江商人が大挙、経済発展している江戸へ押し寄せ、伊勢丹、伊勢五、伊勢辰、伊勢甚、ちきり伊勢屋などと、伊勢のついた伊勢商人の店が日本橋や伝馬町辺りにたくさんあったそうです。三越も伊勢の出ですが屋号は越後屋です。

それらの店では、地元から従業員を連れてきました。江戸には、そうした地方からの人々がやってきたので、それぞれ自分の信仰する稲荷社を、路地裏や店の前や裏に祀ったので、小さな稲荷があちこちに出来ました。現在の東京でも、小さなお稲荷さんはよく見かけられます。

犬の糞は文化文政の頃には人口が多く、ゴミが大量に出たので、野良犬が増え、街のあちこちにフンが落ちていたからでしょう。江戸っ子は、江戸の人は情があるから、野良犬にもたくさん食べさせてあげるからフンが多いんだ、と見栄を張ったりしたそうです。