桜は・・・

 

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東京の桜は何処も満開を通り越して散っています。おじちゃんは混雑している満開の花を見るのは、敬遠です。第一、灰色がかった色のソメイヨシノはあまり好きじゃないんです。

桜の一番好きなのは、はらはらと花びらが散るころが、なんかこのー趣があってとても感動を覚えます。

高校の時習った吉田兼好の「徒然草」にも、そんな箇所がありました。先生は、この兼好法師という人はあまのじゃくだねー、と言っていたのでよく覚えています。

しかし、おじちゃんも、兼好法師が言っていることが分かるようになってきました。どんな現象の中にも無常観があり、それを解することこそこの世を知り、人生を知ることだと。しかも兼行は満開の桜も否定していません。そういう悟った心境になりたいものです。それにしても今朝は寒い。


『花は盛りに、月は隈なきをのみ、見るものかは。雨に対ひて月を恋ひ、垂れこめて春の行衛知らぬも、なほ、あはれに情深し。咲きぬべきほどの梢、散り萎れたる庭などこそ、見所多けれ』徒然草137

「おじちゃんの訳」
さくらの花は満開の時を、月は満月だけを見るものだろうか。 雨が降って見えない月を恋しく思い、家に閉じこもっていて春が終わっていくのを知らないのも、また、それはそれで趣があるものである。まもなく咲こうとしているつぼみの枝や、散ってしおれてしまった花の落ちている庭などこそ、見る価値が多いものだ。