猫の墓 ひねもす のたりのたりかな

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陽気は猫の眼のように変わり、寒いと思うと急に暖かく、暖かいと思うと急に寒くなったりで体調を崩しやすい。

漱石の次男の夏目伸六の随筆に「猫の墓」と言うのがあったと思う。父漱石と母のことなどが綴られていたが、確かその中に猫の墓が出てくる。

染井をうろついていると、猫が日向ぼっこをしていて、ふと、その随筆「猫の墓」を思い出した。気持ちよさそうに、まるで自分の領地でもあるかのように横柄にのんびりと寛いでいた。

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漱石も別段猫好きだったようではなく、家族の誰かが貰ってきた猫を飼っていたらしい。それも死ぬと次から次と、いうふうだから、あながち嫌いだったわけではないだろう。さらに小説になって夏目家の猫の価値がグッと上がったのだから、邪険には出来なかっただろう。

そして借家住まいから、当時はまだ田舎だった生誕地の早稲田に五百坪以上はある土地を買い移り住み、そこでもなお猫を飼っていた。人間同様、猫の生涯も色々だ。