帰巣本能

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街角には色々な被写体があります。人との出会いもあります。東京で生まれ育ったおじちゃんは、代々東京なので田舎というものを知りません。ですから変だと思うでしょうが、若い時はなんでもなかったのに、自然一杯の中で、のんびりするのが歳をとってからは出来なくなりました。そういうところに3日もいると、もう駄目なんです。却って落ち着かなくなってしまうんです。本当に変ですよね。これは帰巣本能のなせる業なのかもしれません。

自然一杯の中で育ち、都会へ出て来た人が、歳をとってから自然を求めたり、故郷に帰る気持ちが分かるようになりました。おじちゃんもきっと、それと同じなんでしょう。鮭が一生の最後の時に、生まれた川に遡上するのと同じ理由が、人間の脳内だか、DNAの中だかにもあるのでしょう。

そんな理由から、街中や街角に潜んでいるのが、一番落ち着くんです。

人は環境に順応するといいますが、ずっとその場所で暮らしていれば、順応はするのでしょうが、やはり、ある歳になると帰巣本能が強くなる人が多いんでしょう。おじちゃんも、そんな1匹なんでしょう。

鮭と違いおじちゃんは、本質的に群れるのが嫌いな気質(たち)です。以前は沢山の人と交際しましたが、いまは体調のせいで、お付き合いは遠慮しています。でもすごく心地がいいです。淋しがり屋ですから、いつもかみさんと一緒です。近所の人は、さぞ仲のよい夫婦と思っているでしょう。勿論、仲は好いのですが、それだけ体力、気力が弱っている証拠でしょう。

体調が良い時はスーパーマン的に、動きまわれるのですが、自律神経の不調で、急激な温度の変化に対しては、まるきし踏ん張りが利かなくなってしまいました。ですから、このところの夏日や真夏日のような温度変化には身体がついてゆけません。

ですが身体に備わっている帰巣本能のせいか、東京にいるだけで癒されています。都会のオアシスとよく言いますが、今の状況は全くそんな感じです。やはり、おじちゃんにとっては故郷ですから。

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