日本の門

f:id:mitokioquerido:20190804134903j:plain

f:id:mitokioquerido:20190804134930j:plain

神社の門のいくつかであるが、一般に"門"は塀などで囲われた土地への入り口に据えられるもの、で他人と所有者とを区切る境の入り口なる。神道では神の世界への入り口に設えられたもの。つまり異郷、異界への入り口としての境界の入り口だ。神道や仏教の世界では、聖なる領域と俗なる領域を分ける為にこうした"門"が設えられる。

大きな神社で見られる赤い門は、赤が邪気を追い払うという言い伝えから、鬼や邪悪なものから身を守る意味があるという。世界中"門"はたくさんあるが、神社仏閣の多い日本にはかなりの数の"門"が存在する。おそらくその数は世界一というほどではないだろうか。その訳は日本ほど神様が多い国はないだろうから。

マヤやインカや古代インドなどでは多くの神が存在したが、日本の神は「八百万」(やおよろず)の数がある。日本に人が住み着いたのは数十万年前と推定されるが、その頃から、われわれの祖先たちは自然の中に"神"の存在を考え出してきた。キリスト教イスラム教やユダヤ教のような一神教とは、全く違った世界観が昔から日本には存在する。一神教のように太陽も月も星も自然も、人間も全て神が創ったという思想ではなく、自然が人間を作ったという根本思想に基づいている。

であるから日本を訪れる一神教の中で育った人間には、日本が異郷に思えてしまい「日本は特殊だ」と言わせる。別に特殊でもなんでもなく、日本人はごく自然な考えの持ち主なのだ。われわれにしてみれば、一神教の人々のほうが特殊なのだ。これからは日本に入国する全ての入り口に、大きな赤い門を設えて外国人の持つ「邪気」を払ったほうがいいだろう。