中国軍の戦力が米軍を上回る日

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ランド研究所の上級研究員コーテズ・クーパー氏は米太平洋軍司令部に長年勤務し、中国軍の分析にあたった。同氏は全体図として以下のように述べた。「習主席による軍近代化は、中国の防衛を再編し増強する過去最大の事業である。中国軍の戦力、戦略、ドクトリン、部隊編成の強化は、中国の世界規模の利害追求と一体となった野心的な内容となる」
 
 「中国軍はこの計画を実行すれば、2035年には、インド太平洋地域で陸海空、宇宙、サイバー、電磁波など、すべての戦力で米軍とその同盟国軍以上となる。米側の有事への対応は難しくなるだろう」
 中国は、現在の米国主導の国際秩序を突き崩す手段として軍事力を増強し続けている。つまり中国の軍拡は米国への挑戦に他ならないというわけである。
 
習近平政権は、米国の国際リーダーシップを奪おうと意図し、この野望を軍事力の大増強により実現しようとしている。まず企図しているのは、インド太平洋での米軍の能力の弱体化や同盟国の離反だ」
 
米太平洋軍(PACOM)のハリー・ハリス司令官は14日、中国が急速に軍備増強を進めており、近く「ほぼ全ての領域で」米国に並ぶ軍事力を持つ可能性があると警鐘を鳴らした。また北朝鮮のミサイル開発をめぐり、その急速な進展に合わせて防衛態勢を向上させていく必要があるとの認識も示した。
 
 米下院軍事委員会の公聴会で述べた。中国の従来の装備への投資のほか、極超音速ミサイルや人工知能(AI)の開発にも警戒しなければならないとも訴えた。
 
 ハリス司令官は中国によるミサイルシステムの著しい向上、第5世代の戦闘機の開発、ジブチでの海外初の基地建設などを列挙して、中国は目を見張るほどの軍備増強を進めていると指摘。
 
 その上で「間もなくほぼ全ての領域で米国に競合するだろう」と述べ、「米国が後れを取れば、太平洋軍は将来戦場で人民解放軍に苦戦を強いられることになる」と危機感を示した。
 
 一方、北朝鮮については、米側は現時点では北朝鮮金正恩政権が発射するあらゆるミサイルを阻止できるとしながらも、北朝鮮の軍事力の急速な進歩に適応していかなければならないと警告。
 
北朝鮮の3、4年後のミサイルに関する軍事力を考慮すれば、わが国はミサイル防衛を改善し続けていく必要があると思われる」とした。
 
 ハリス司令官はさらに、正恩氏について「自分が当然手に入れるべきと感じているものを獲得する道をたどっている。それは自分と共産主義体制に従う朝鮮半島だ」とも述べ、長期的な目標は単に体制を守るだけでなく、南北を統一して朝鮮半島を支配することだとの見方も示した。(c)AFP